2010年12月24日
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真冬の怪談・非RDBデータベース編

Written By: 川俣 晶連絡先

「久々に笑ったなあ」

「なぜ?」

「こういう文章を見た」

「これのどこがおかしいの?」

「実は、ここでいう『恐ろしいこと』というのは、非RDBのKey-Value Storeを使っているなら当たり前の前提でしかない」

「前提なの?」

「そうさ。たとえば、ある程度の以上のスケールアップを行うには、一貫性の整合性は犠牲にする必要がある。それは前提であって、始めから分かって取り組んでいることだ」

「だから『CommitもRollbackも当然ないため、一貫性がくずれてしまう』と言われても笑っちゃうわけだね」

「そういうことだ。さも意外な事実を発見したように思って主張しているのだろうか、最初の1ページ目に書いてある当たり前の前提だ」

深層の問題 §

「じゃあ、これは何を意味しているのかな?」

「RDBという盤石な王国が崩壊しつつあるという危機感で、RDB屋が怯えているということなのだろう。だから、始めから分かりきったことを、さも『危機』であるかのように叩いている」

「でも、数が数えられないとか、本当に問題ではないの?」

「分散非同期ってのは、そういうことだよ。別の誰かが何をやっているか常に分からない世界だからね」

「じゃあ、本当に怖いことって何?」

「つまり、RDBの常識でこういう新しい世代のストレージを叩いて見せることさ」

「なぜそれが怖いの?」

「聞く側もRDBの常識しか持ってない可能性が高いから、一見正当な批判のように思えてしまうところだ」

「それは怖いね」

「そうだ。真冬の怪談だよ」